Gallery ARK    S C H E D U L E 
 

2016・11・17日(木)-11・26(土)日曜休廊
AM 11:00-PM 6:00 (last day PM 5:00)


                  - 風のあしもと -
           広田稔・友部正人、コラボレーション展
  







「 君は線を引きながらやって来る 」 F4 油彩  







「 雨はカモメ 」 A3 パステル・水彩・コラージュ







「世界は雨を語る」 F4 油彩


-風のあしもと-

  中学の頃から大好きだった詩人でシンガーソングライターの友部正人さんが、
  同じマンションの
2階に引っ越して来て友達になった。初めて彼の家を訪ねた
  時、
500色の色鉛筆を貰った。

  彼との最初のコラボレーションは、次々と友部さんからポストに差し込まれた
  詩からイメージした作品を、その色鉛筆で描くものだった。


  
それから僕達は新しい実験を始めた。

  今度は僕の絵が最初。その絵から友部さんが詩を創り、僕んちのポストに入れ
  る。僕はその詩から絵を描き、彼んちのポストに入れる。彼はその絵から詩を
  書く、、、、

  受け取った詩の言葉をなぞるように描いた作品もあれば、一瞬にして浮かび上
  がった場面を描いた絵もある。画材も、油彩、水彩、色鉛筆、木炭など、使え
  るものは何でも使った。

  最初の絵は詩に姿を変え、そしてまた絵に姿を変え、、、お互いのポストを行
  き来しながら何処に辿り着くのだろう?


                                 広田 稔




         広田稔油彩「君は線を引きながらやって来る」より

         -風のあしもと-


            ぼくは今、風の足もとにいて
            君を待っている
            君は世界のどこかから
            線を引きながらやって来る
            君はぼくの歌だ
            その線はぼくのメロディだ

            ぼくは今、ここにいて
            海が陸にささやくのを聞く
            「さあ、歌ってよ」
            ぼくは君の陸だから
            「さあ、歌ってよ」
            君がそう言うのを聞く

            陸は身を沈めようと長く伸びて
            半島になる
            海はその半島を受け入れて
            潮を膨らませる
            海と陸の境目がなくなり
            やがて日暮れが目を閉じるのがわかる

            思えばぼくは長い間ここにいて
            君を待っていたような気がするよ
            ここは空から一番遠い場所だから
            君が来るのもわかるんだ
            足もとが海に溶けていく
            ぼくが風のはじまりになるときに

            君は元気のいい電気のように
            線を引きながらやって来る
            ぼくは君の心臓なのだから
            歌っているのはぼくなのさ
            ぼくのビートを数えるように
            橋がぼくから消えて行く

                                
友部 正人


  
   友部正人プロフィール

   1950年東京生まれ。高校卒業後名古屋の路上で歌い始め、72年「大阪へやって来た」で
   レコードデビュー。以降コンスタントにアルバムをリリースし、ライブも精力的に行っている。
   最新作「ぼくの田舎」(2013)まで23枚のオリジナルアルバムを発表。
   詩集、エッセイ集など著書も数多く刊行し、最新詩集は「退屈は素敵」(2010)。



   広田稔先生と友部正人氏との2014年に次ぐ2回目のコラボ企画展です。
   今回は前回とは反対に広田先生の絵から友部正人氏がイメージして詩を書かれました。
   お二人の魅力あふれる展覧会を是非お見逃し無く!
   
   今展覧会の作品と詩を載せました
   詩画集「風のあしもと」(画:広田稔 詩:友部正人)
   も同時に販売致しております。
   
   価格\2,160(税込) 

     
    ご興味のある方はギャラリーアークまでお気軽にお問合せ下さい。

    TEL:045-681-6520   Email:ark@art-sq.com

    広田稔紹介ページ